ベトナムにもキャバクラのようなお店があって(なぜかカラオケと呼ばれている)、日本人向けのお店であれば日本語を話せるおねーさんが多い。もちろん完璧ではないがその場を楽しむ分には充分にコミュニケーションをとることができる。
そこで驚くのは、どのくらい日本語を勉強したのかと尋ねると、だいたい「3ヶ月勉強しました」とか「6ヶ月勉強しました」という回答が返ってくることだ。
比較的難しいはずの日本語をその程度の勉強期間で仕事で使っているというのは衝撃的だった。
僕にとっては学習するのが簡単といわれる英語ですら、中・高・(大)と費やしてきたにも関わらず、全く話せる自信がなかったから。
あれから数年、英語でベトナム人エンジニアと直接やりとりができるようになった今、自分の英語の勉強方法はなんだか遠回りだった気もする。
結局、カラオケのおねーさん方は仕事で使うための日本語に特化して勉強しているはずなので、同じように自分であればIT業界に特化した英語を学べばもっと短期間で英語を使って仕事ができるようになっていたのではないかと思う。
TOEIC用の教材ばかりを使って勉強していたが、基本設計書 – Basic Specification –すら言えなかったのに、糖尿病 – diabetes –をいえるようになっていたのはやっぱり遠回りだったと思う。
洋画を字幕なしでみれるようにならなくてもいいから、道行くおねーさんを英語でナンパできなくてもまぁいいから、とりあえず仕事で、趣味であるアプリ開発で、英語を使えるようになりたい。
そんな想いからエンジニアのための英語勉強webアプリであるエンジリッシュを作った。
だからといって、まったくのゼロ知識から、いきなりこれをやって英語が扱えるようになるわけではない。これは例えばオンライン英会話のようなもので、自分の中に英語をしっかり吸収していくための土台がないとなかなか伸びない。まずはそういった土台を作った上で、エンジニアにとって最短経路を辿りながら確実に英語力がつくような英語を勉強する計画を考えてみる。
ちなみに僕が英語を勉強する際、もっとも参考にした記事が下記。
はてなブックマーク8000弱の超人気記事で、いきなり洋画を字幕なしでみろだとか意味不明なフリをしていないからとてもいい。
この勉強方法をベースに、エンジニア向けに考えてみたい。
勉強に入る前に、まずは設定してほしいことがある。
以前僕がブログに書いたものだが、下記の記事を参考にしてほしい。
海外で3年間働いて、今でもめちゃ使っている英語の便利ツール活用3選
おかげさまではてなブックマーク数は1300を越えた(URLを変更したのでリセットされてしまったが・・・)。
タイトルの通り日々使うことになると思うので、まずはこの設定をしてほしい。
さて、ここから実際の勉強フェーズに入っていくが、まずは発音の勉強だ。
なぜ発音が最初なのかというと、このあと単語を勉強していくわけだが、その際に発音の復習をしながら進めることができるからだ。
発音の勉強なんか必要ないという方もいるが、最低限のトレーニングは必要だ。さすがにカタカナ英語だととても伝わらない。また、自分はきちんと喋っているつもりなのに、「え?」と聞き返されたときに、おどおどせずにゆっくりはっきり自信を持って伝えるためにも、知識として発音を学んでおくことは重要だと思う。うまくなくてもいいので、カタカナ発音ではなく、英語用の発音を改めて勉強しておいた方がいいだろう。
というわけで、発音の勉強におすすめなのがこの本。
次に基礎的な英単語の勉強を行う。
これはIT業界の単語に限らない。このあと文法を勉強することになるが、あまりにも単語を知らないと文法勉強時に出てくる例文内の単語の意味がわからず、文法を勉強しているのか単語を勉強しているのかよくわからなくなってしまう。なんだかんだいっても最低限の単語力は必要だ。目安としてはTOEIC600点ぐらいの英単語力でいい。
先に紹介した■急がばまわれ式・堅実で一番効率的な英語の勉強法ではP-study Systemというソフトを紹介されていたが、これはWindowsパソコンでしか動かないので、似たようなコンセプトのスマートフォンアプリ究極英単語を個人的にはおすすめする。しかし、最近は他にも魅力的な英語用アプリがあるので、自分にあったものを使えばいいと思う。
次に文法だ。単語を知っていれば英語を読むことはある程度できるかもしれない。しかし、他のエンジニアに英語で何かを伝える際に、あまりに拙い文法だと細かいところでミスが発生する可能性もあるし、読み解くのが大変になってしまいコミュニケーションコストが上がってしまう。文法もしっかりと身に付けておいた方がいい。というわけでお勧めの本は下記。
この本じゃなくてもいいので、とにかくここで一旦文法のおさらいを行ってほしい。
前回までのフェーズで、エンジニアに限らず、英語を加速的に吸収していく土台ができた。
一般的にはここからDUO 3.0で実用的な英文を学んだりするところだが、エンジニアであればそのかわりにエンジリッシュで勉強することをおすすめする。
英単語、イディオム、英語フレーズに分かれており、それぞれGitコミットメッセージ用など、実践的な問題集を揃えている。
webアプリだが、スマートフォンでもアクセスできるので空き時間にいつでも勉強することが可能だ。
まずは、必須のIT英単語集から勉強して、その後、イディオム・英語フレーズを勉強していく流れがいいだろう。
必須のIT英単語! – エンジニアのためのIT英語勉強アプリ – エンジリッシュ
特に、英語フレーズをまる覚えしておくと、すっと英語がでてくるようになるし、他の英文を構築するときも覚えている英文の応用でなんとかなったりする。
以上だ。
実際は単語を覚えるフェーズなどもう少し時間がかかるかもしれないが、エンジニアが短期間で実践的な英語を確実に勉強する方法として受け取ってもらえればと思う。
ただし、これはTOEICで高得点を取るためのものではなく、あくまで短期間で英語でIT系の仕事ができるようになるための計画だ。
僕自身、TOEICをきちんと受けたことがないが、とりあえず英語で仕事をすることはできる。昔は英語を話せるようになるためには何年も勉強しなければいけないのではないかと思っていたが、結局それは英語を使ってどうなりたいかという理想像次第だ。
英語を使って海外のエンジニアとコラボレーションしたいという程度であれば、何年も英語の勉強に費やす必要はない。
この記事が、これから英語を勉強するエンジニアにとって役に立つと幸いだ。